Steven Wilson Live at Royal Festival Hall 04/03/2013

グラスゴーから中1日置いて、Steven Wilson and bandのUKツアー最終地はロンドンです。
会場のロイヤル・フェスティバル・ホールは、テムズ河南岸のサウスバンク地区に建つ芸術系複合施設、サウスバンク・センター内のコンサート・ホール。
前日にとっととロンドン入りして、偵察も兼ねてチケットの発券に行ったのですが、建物の中はとても広くて綺麗。カフェやバーは1軒に留まらず、洒落たギフト・ショップなんかもあります。あちらこちら常に沢山の人で賑わっていて、流石ロンドンは都会だね〜という感じです。

今回は全席指定なので慌てなくてもいいのですが、のんびりしたかったので当日は約1時間前に会場入り。ここは2つのゾーン(ブルー/グリーン・サイド)に分かれていて、席の配置によって入口も違います。私の席はグリーン・サイドの4階。エレベーターを降りると、左手に階段、右手がホールに通じるロビーで奥にバーがあります。これは各階共通の造りである模様。


意外とシンプルな空間のロビー。

入口のブースでプログラムを、バーでミネラル・ウォーターのボトルを買って、椅子が1つ空いていたので座って早速プログラムを拝見。写真や歌詞等が入ったA4サイズの冊子で、さしずめ限定盤ブックのダイジェストといったところか。"The Raven〜"の物語が丸々収められていて、拾い読みをしただけで胸がこう、きゅーっと…;;(よりによってお姉さんが死ぬ場面;)。ヤバイヤバイ、これは家に帰ったらちゃんと訳さねば…と思いながらふと顔を上げると、閑散としていたロビーにはいつの間にかだいぶ人が増えていました。椅子が少ないので地べたに座っている人もいますw
19時半を過ぎてスタッフがドアを開け始めました。ここはボトルは問題なく持ち込めるしカバンのチェックもありません。余裕〜。
さて、私の席は数字にして11列目あたり。端寄りなのでちゃんと見えるかやや心配だったけど、いざ座ってみると、流石にいままでより遠目といえどもかなり良い眺めです。ステージも中央に収まっているのでメンバー全員の場所もバッチリ。既にアートワークは始まっていて、多くの人がスクリーンを撮っています。特に問題なさそうだったので私も撮らせて貰いました。グラスゴーに比べて規制が緩いようで安心。ただ、開演後はやはり厳しいだろうし、私ももうライヴそのものを撮る気はありませんでした。


ときどき無駄にイケメン(?)な月。

20時を回り、ほぼ定刻通りにマルコ・ミネマンが登場。ドラムの出だしがやや早くて、皆慌て気味に所定の位置へ(ゴーヴァンの小走りが何故か妙にウケたw)。
流石はクラシック・コンサートがメインの会場と言うべきか、音響が抜群に良いです。ベースがちょっと反響しすぎな気もしましたが、大迫力かつ耳に優しいサラウンドなサウンドが心地良い。音響についてはSW氏もMCで触れて、エコーの口真似(○○ー、○○ー○○ー…と段々小さく言うアレ)なんかして面白かったw
それにしても、こういう、ちょっとかしこまった場所というシチュエーションは何だか不思議な気分です。やはり音の良さと落ち着いて全貌を見られるのは利点でしょうか。ある程度の距離があることでステージが満遍なく視界に収まるのが嬉しい。特に曲の開始前から演出が冴えまくる中盤のハイライト"The Watchmaker"と奇怪なアクションでお馴染みの"Index"は、私の重要な観賞ポイント『自分という定点カメラ』がほぼ完璧に作動したと実感出来るものでした。"The Watchmaker"は回を重ねるごとに好きになったパフォーマンスで、時計をモチーフにしたアートワークや曲構成、その展開はもちろんのこと、クライマックスのSW氏の歌と所作がいい。例えば次の"Index"で見られるような派手な動きこそないものの、凄みの中にも甘美な雰囲気を携えた姿が非常に映えて盛り上がるのです。もし、『定点カメラ』に録画機能があるならば繰り返し見られるのに。。と(バカみたいだけど)本気で悔しくなりました(隣にドラえもんがいたら間違いなく泣きついたでしょうなw)。


終了後に撮ったSW氏のキーボード。

ただ、ちょっと残念なことも。これはバンド自身ではなく演出上の問題ですが、"Index"が終わって外されるカーテンが綺麗に落ちなくてステージに残っちゃったのですね。おかげで次の"Insurgentes"が始まってもスタッフの撤収作業が目についてかなり興醒めでした。グラスゴーでの処理が完璧だったこともあり、折角ゴージャスな会場なのにちょっと頂けなかったです。
その"Insurgentes"の間奏は今回はフルートでした。オリエンタルでもアーバンでもない、シンプルでちょっと寂し気な趣きが新譜中心の雰囲気と合っているように思いました。この曲はレギュラー決定と見ていいのでしょうか。だとしたらかなり嬉しいなあ。
旧作の選曲はどれも納得と満足のいくものでしたが、"Raider 2"(正しくはローマ数字)と"The Raven〜"が連続するのがどうにも勿体ない気がするのは私だけでしょうか?
"Raider〜"は今回はアウトロが省略されているので、怒涛の盛り上がりのまま"The Raven〜"の鬱々としたイントロに直結するのですが、もうちょっと余韻に浸りたいのに、高揚した気分をクールダウンさせてそっちの世界に移行するのがなかなか大変でw
とはいえ、じゃあそれぞれどこがベストな位置なんだようと訊かれても困ってしまいますが(;^ω^)
やっぱりカラスのトリは譲れませんしねえ…鳥だけに…ってお後が全然よろしくないw
アンコールはおそらくまたやるだろうと予想していましたが、やはり"Radioactive Toy"でした。長めのMCの後のゆったりと流れ出るイントロにぐっと来ます。前日ほどの衝撃はないものの、環境の違いからかまた別の感動が押し寄せてくるようでした。

ところで、この日はSW氏のお母さんが来場されていて、「母が来てます」と嬉しそうにその席を指すSW氏の姿が印象的でした。きっとお父さんもどこかで彼を見守っていたことでしょう。

セットリストはこちら


本日の戦利品。