Steven Wilson"To The Bone - Deluxe Edition - Disc2"

いきなり"2"かよ!っていう。いえ、ちゃんと順番通りに聴いてます。

"POP"という言葉が先行して過剰反応したのか、正直ちょっと身構えちゃってたんですけど、思いの外Porcupine Treeのエッセンスがそこかしこにあって、ある意味ホッとしました。やはりSW氏は一筋縄ではいかない。
ただ、第一印象では、何ていうか小奇麗にまとまりすぎてる感があって妙に釈然としない。この良曲たちはどこから来るのか、文字や言葉でその意図は伝わっても、もっと感覚的な部分でそれを納得したい気持ちがありました。
で、Disc2を聴いたわけですが、これがすげえの何の。
デモトラックとはいえ、そのまま出してもおかしくない完成度の高さに定評のあるSW氏ですが、今回はその質の良さはもちろん、アウトテイクがこれまで以上に素晴らしい。デモの中ではSW氏が1人で素朴に歌う"Pariah"が秀逸です。そして残念ながら1軍入り出来なかった曲たち。それらは完全版が世に出る道筋をつける役割をきちんと担っていたのだなと思いました。つまり、既定路線から外れたものであっても繋がりが途絶えたわけじゃないよと(まあ、デモだのアウトテイクだのというのは本来そういうものなんでしょうが、少なくとも今回は私にとっては目から鱗だったのよ)。そんなわけで腑に落ちなかった点は解消されました。

おそらく、彼を長く聴いてきた人ほど今回のアルバムを肯定しているんじゃないかと思います。だけど、もし否定的な気持ちを抱いてしまった人がいたら(私はオススメ!と断言するのが好きじゃないのでそこまで言わないけど)、このデモトラック&アウトテイクを得る機会があれば、何か変化があるかもしれないよ、と言いたい。

あー何か勢い余って支離滅裂な気が。でも鉄は熱いうちに打ちたかった"In my opinion".

Steven Wilson - A Door Marked Summer