Steven Wilson "Grace For Drowning"

とりあえず、メインCD2枚を聴いてみた感想(もうちょっと聴き込む必要が無きにしも非ず、だけど)。
よく出来てやがらぁ…と、古ーーい邦画の主人公のセリフを真似てみたり。

「70年代初期を意識」、「ジャズ・ミュージシャンを起用」等々、インタビューやコラムで目にして、正直ちょっと「管轄外」かなあと期待しすぎずに待っていました。
いや、それはもう楽しみにしていたんですけど、趣味というか癖(へき)に則ると、1stのInsurgentesがかなりツボだったので、そこまで好みではないかもな、と。

果たして、それは半分当たって、半分は杞憂でした。

CD1枚に収まる時間をあえて2分割してLPのように聴かせる趣向も含め、やりたかったテーマを思い通りに描けた結果なのでしょうか、トータルバランス的にはこっちに軍配かなあ。より洗練されたという印象です。
"my biggest project to date"
様々な意味合いが含まれているようですが、それを裏付けるような自信や自負、余裕などが何気に感じられます。

SWという人は音の重ね方やメロディに適した詞を乗せることに非常に長けていて、それぞれが邪魔にならないバランスが聴いていて心地良い。
もちろん、音響に関しては彼だけの功績ではないのでしょうが、今作は前回とは違うアプローチと演奏者の技(業)も手伝ってか、怒涛の展開もハードな旋律も何だか甘くて耳触りが良かったように思います。


─(たぶん)もうちょっと続く─


Steven Wilson - Grace for Drowning (Blu-ray trailer)