Steven Wilson Live at O2 Shepherds Bush Empire 2012 (2)

続き。

また1人ずつ、アダム・ホルツマン(Key)、アジズ・イブラヒムに替わる新メンバーのニコ・ツォネフ(G)、テオ・トラヴィス(Fl/Sax)と続いて各パートが重ねられ、最後にスティーヴン・ウィルソンが登場。
観客の声援に応えるように、ステージ上を確認するように一巡しておもむろにギターを取り、満を持して弦に触れると照明が切り替わって、もう一方のギターとシンクロする轟音。この瞬間がとても好きです。

2曲目の"Index"の前、ボイス・チェンジャーで"Thank you, London"と言った後に"Good evening"と続き、場内から笑いが起きました。
これから始まる曲のイメージらしからぬ、ほのぼのとした空気が何だか奇妙で面白い。
そういえば、観客の中にかなり熱い声援を送る男性がいて、野太い声で「イエェェェェイ!!!!」と叫ぶ度に周囲がクスクスw。
SW氏もその人をちょっといじってみたり、全体を通して半年前と比べるとかなり饒舌でした。

"Deform To Form A Star"はライヴを通じて最も印象が変わった曲かもしれません。変わったというかより濃くなったというか。
ホルツマンの切なく美しいピアノに始まり、プレイヤーそれぞれの個性が静かに、しかし情熱的に奏でられ、途中で加わるベッグスのコーラスが心地良く響く。ただひたすらうっとりと聴き惚れてしまいます。
もうじきちゃんとした映像で再び見られるのが楽しみです。


序盤にささっと隠し撮り…このクォリティが限界w

さて、ここでちょっと新加入のギタリスト、ニコ・ツォネフさんについて。
ツアー前にSW氏のフェイスブックで紹介されたとき、失礼ながら「誰?」状態で、動画でプレイスタイルを見ても可もなく不可もなく、あまりピンと来なかったのですが、実際に見るとこれがしっくり馴染むというか、SWバンドにマッチしているように思いました。
いま思えば、前任のアジズ・イブラヒムも個性的で面白いのですが、悪く言えばそれだけになりがちな、長く続けるとなると限界がありそうな気がしたのも事実です。
ツォネフ氏はもうちょっと柔軟性があり、己を過剰に出しすぎず厚みを加える。そういった、構成への取り組み方が上手かなあと感じました。
因みにブルガリア出身だそうです。

Niko Tsonev - Venetian Poison


続く。