恐怖に関するシンパシー。

Steven Wilson reflects on his incredible career

最近アップされたSteven Wilsonのロング・インタビュー。
前作及び新譜について様々な面からの回答、その他Porcupine Tree、Storm Corrosionでの活動やXTCのリミックス作業について等々、なかなか充実した内容のようです。

個人的に最も興味深い新譜のテーマ、"spirits and ghosts and the supernatural"(文中より)についての部分だけちょこっと訳(怪しい;)してみました。


曲を書き始めたときは霊的な小説を結構読んでいて、そのときはまだ歌詞もそのアイデアもなかった。一番初めに"Luminol"をインスト曲として書いたがそれから考えた。「よし、何について書こうか?」と。
自分の経歴で何度もあったように、そのとき手当たり次第に読んでいた物から書くことを見つけた。
例えば、"Fear of a Blank Planet"を書いていたときはブレット・イーストン・エリスの"Lunar Park"を読んでいた。あの小説は非常にアルバムの歌詞への刺激になった。
今回はいまどきの神秘的ホラーでないエドガー・アラン・ポーのように古典的な、同じくM・R・ジェイムズ、アーサー・マッケン、アルジャーノン・ブラックウッドのような英国文学を読んでいた。
それらの霊的な物語の面白い所は、はっきりと怖いのではなくもっと薄気味悪い恐ろしさで、それは多くの古典文学や映画に関して僕が好むものだ。
本来、僕はホラー映画が好きじゃないが、それらを経て不気味な恐怖感を持つ映画は好きだ。
これまで通り、それが僕に物語を──歌詞ではなく実際に物語を書かせた。
それらはアルバムのスペシャル・ブック・エディションに印刷される。そして物語は歌詞に繋がるんだ。


こういった「恐怖」に関する持論、感性には非常に共感を覚えますね。
直球で怖がらせるのではない、恐怖心を誘い抱かせる何かについては常に頭にあって、しかしながら掘り下げれば結局その解釈は人それぞれで、作品が実際どういう物か見てみないことには何とも言えませんが、似た感覚がある者としては支持したいなと思います。

さて、DX盤を挿絵と物語のある本にして出す構想は明確にあったようで、「古い骨董品店の奥で見つかるような19世紀末から20世紀初頭に書かれたらしい、素敵な挿絵がついている古典的な怪談本」みたいなのを作りたかったのだそうです。曰く、本はある意味あって当り前だと。
Hajo Muellerの起用は半ば奇をてらったものと思わなくもなかったのですが、理由はそこにあったと見ていいんですかね?(*´ー`)