Steven Wilson Live at O2 Shepherds Bush Empire (5)

陰鬱な出だしから次第に不穏な盛り上がりを見せていく曲は、それまで手ぶらのガスマスク男がギターを手にしたところで佳境に入ります。
ストロークひとつで轟音の厚みが更に増して、じわじわと空間を埋め尽くし、観客はそれぞれ身体を揺らしたり、あるいはじっと立って身を委ねます。
溺れる。頭のてっぺんから爪先まで、目まぐるしく点滅する光とノイズを浴びて、ぼんやりとそう思いました。

やがて混沌は終わりを告げ、SW氏はギターとガスマスクを外しました。そしてショーをやり遂げたメンバー達はステージの前へ。
すると、まるで映画のエンド・クレジットのように、後ろのスクリーンに(新譜の至るところでお馴染みの)手書き文字でメンバーの名前が1人ずつ出てきました。
SW氏が順番に彼らと肩を組んだりしながら観客の声援に応えます。
比較的大柄な面子なので、華奢なSW氏は何だか可愛らしかったw
最後は全員整列して、スクリーンには確かthank you and good night!の一文があったような。

とうとうメンバー達がステージを去り、これでめでたくライヴは終了…しませんw 場内は例の音響、そしてスクリーンにはポーキュパイン・ツリーの"Time Flies"の映像が部分的に映し出されています。
好きなPVでもあるし、その辺をうろうろと写真を撮ったりしつつ最後まで見ていました。
そこそこ人は残っていて映像や機材をカメラに収めていましたが、やはり帰ってしまう人も多く、他人事ながらちょっとだけ残念な気持ちに。
ああ、そういえば、しばらくしてドリンク片手にゴキゲンなマルコ・ミネマンさんがふらっとステージに現われて、ファンの方々と談笑していました。
気さくな方ですね(´∀`)


Time Flies...光陰矢の如し。まさしくそんな気持ち。

それにしても、最後までよく練られた構成のショーでした。
個性の強いミュージシャンがそれぞれの実力を存分に発揮し、ぶつかり合いながらもまとまっている。いいもの見せて貰ったなあと思います。
個人的にはオールスタンディングで観たかったですけどね(・ε・)
因みに北米ツアーでは、ビザの関係か何かで帯同出来ないアジズ・イブラヒムの代わりに、ポーキュパイン・ツリーでお馴染みのジョン・ウェズリーがギターを担当。こちらも見てみたかったですね。

今回のセットリストはこちら
と、ここまで書いてきて、ちょっと記憶違いが。
開始直前、SEが止まったと思っていましたが、しばらく流れっぱだったらしい…;
(待ち時間に飲んだビールのせいでボケてたか?)

さて、今月18日にシカゴで無事終了したGrace For Drowning Tour。
なんと、来年の春頃に再開することが決定した模様。
今回行けなかった場所に重点を置くそうですが、いまのところ我が国に来る可能性は…う〜ん、ちとキビシイ?
まあ、とにかく来日の実現を願うばかりです。

Steven Wilson - "Grace For Drowning" Tour Spot